卒業。

14歳の女の子が、トップバッターとして『ハナミズキ』を歌った時、今まで感じたことのないような気持ちが溢れてきて、瞬間的に何かを決めてから、実にまだ一年も経っていない。

 

姿を見れる、歌を聴ける機会は、ほんの数ヶ月に一度で、それでもその期間に確かな成長を見せてくれて、会える日はそわそわがおさまらない。小さな子どもみたいだけど、本当に楽しみでしょうがないから、しょうがない。

 

昨日だって、あの小さな身体に、これからすごく大きくなるであろう片鱗が見えたし、それは多分見間違いじゃない。

 

いつまでも、こんな時間が続いていくのかな、なんて思っていたけど、彼女は進む道を自分で選んだ。

 

別にこれは別れではなくて、こちらからしたら少しだけカタチが変わるだけ。

 

けれど、彼女からしたら大きな変化で、環境がガラッと変わる。春から高校生になるので、なおさら。

 

自分に何かしてあげられるのかな、なんていっちょまえに考えたりしたけど、特別なことが何もできないのは当たり前だし、そんな立場でもない。

 

できるのは、「頑張れ」を伝えることだけ。幸いにもそれだけはできるのだから。それだけは、したところで誰も咎めないのだから。

 

優しい言葉を残しながら、今日も明日も、彼女は夢に向かって進んでいく。

 

じゃあ自分は、"自分に対して"何ができる?